×
日本史
世界史
連載
ニュース
エンタメ
誌面連動企画
歴史人Kids
動画

歴史上の人物を四柱推命で鑑定!第72回~渋沢栄一~

多くの大企業の創始者で絶大なバランス感覚!一万円札の新紙幣の顔に相応しい!?

 日柱の干支に「甲戌(きのえいぬ)」を持っているが、このような人を「日座中殺(にちざちゅうさつ)」と言う。「日座中殺」は、他のことは全てはうまく行くのに、なぜか結婚だけがうまく行かない星。本人に何の問題もないのになかなか結婚できなかったり、結婚してもすぐに離婚してしまったりする。しかし、2度目の結婚や国際結婚、婿養子等の、周りから驚かれるような結婚はうまく行く。栄一は18歳の時に最初の奥さん、千代と結婚。2男3女をもうけるも、千代は42歳の若さでコレラで亡くなっている。その翌年、兼子と結婚した。先に述べたように、千代のことを深く愛していたようだが、日座中殺を持っていたからだろうか。結婚は思うようにいかなかったようである。

 

〇芸術家も向いている!「傷官」「沐浴」を持つ!

 栄一は芸術性が高いと言われる星、「傷官」と「沐浴」を併せ持っている。栄一に芸術的な才能があったかは定かではないが、調べてみると、なんと日本の美術業界にも関わっていた。栄一は日本の美術振興をはかることを目的とした、日本美術協会の評議員を務めたほか、大倉喜八郎らと共に発起人として帝国劇場(株)の設立に関わり、女優を養成する帝国劇場付属技芸学校では総長に就任している。芸術の価値を自身がよく心得ていたのだろう。

 

 ここまで栄一を鑑定してきたが、知れば知るほど興味深い人物であり、これまでお札に載らなかったのが不思議なほどだ。栄一の著書『論語とそろばん』では、資本主義で利益だけを求めるのではなく、人格形成の必要性も訴えた。今の時代でもより必要とされる心構えだろう。栄一がお札の顔になるまでに、改めて「論語と算盤」を読み直し、その思いを心に刻みたいと思う。

 

 

■四柱推命とは?

 古代中国で生まれた「過去、現在、未来」を予見する運命学のひとつで、陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)をもとに、人が生まれながらにして持っている性格、能力、素質を理解し、その人の努力や経験で変わる後天的な運命までも予測することができる。

 具体的には、生まれた日(生まれた年・月・日・時間)をもとに命式表(めいしきひょう)を作成し占っていく。なお、ここでは生まれた時間は鑑定に含めていない。

「国史大辞典」に記載されている生年月日を、「和洋暦換算事典」を用いて現行暦に換算し鑑定している。

■用語説明
日柱の干支:その人の本質を表す重要な部分

主星(しゅせい):月柱の蔵干通変星で、その人を表す最も重要な星。主に仕事運を表す。

自星(じせい):日柱の蔵干通変星で、その人のプライベートな部分の性格を表す重要な星。

 

KEYWORDS:

過去記事

妃萃(本名:油川さゆり)(ひすい)
妃萃(本名:油川さゆり)ひすい

青森県八戸市出身。慶應義塾大学 社会学研究科 教育学専攻 修士課程修了、同研究科 同専攻 後期博士課程在学中。2013年鳥海流・鳥海伯萃より四柱推命の指南を受ける。これまで500人以上を鑑定。多数の弟子を輩出。

元放送局報道記者。フリーアナウンサーとして、BS11の番組にレギュラー出演しているほか、ナレーターや司会として活動中。日本の歴史、伝統芸能を伝えるため、歴史勉強会、その他イベントを主宰。自身も大和言葉、辞世の句、武田氏と油川氏等について講演活動を行う。合同会社真己、共同代表。また、2016年6月から「カミムスヒ」というソングユニットで歌手活動を開始。手話検定3級、ホームヘルパー、視覚障害者ガイドヘルパーの資格を持ち、社会福祉活動に積極的に携わる。

最新号案内

『歴史人』2025年10月号

新・古代史!卑弥呼と邪馬台国スペシャル

邪馬台国の場所は畿内か北部九州か? 論争が続く邪馬台国や卑弥呼の謎は、日本史最大のミステリーとされている。今号では、古代史専門の歴史学者たちに支持する説を伺い、最新の知見を伝えていく。